海外の状況

バタリーケージ廃止の動き

EU
2012年から、従来型バタリーケージ*は禁止されています。

 

アメリカ

 

カリフォルニア州

(規制成立年:2008年)州住民投票で賛成派が圧勝して法制化され、バタリーケージ禁止を含む州法は2015年1月1日に施行された。その後2018年、州住民投票で「家畜監禁に関するイニシアチブ」Proposition 12が通過。2008年にはなかった具体的な面積要件が定義されることとなった(子牛、繁殖豚、についても面積要件が定められることになった)。またこの法律に反する畜産物を州内で販売することができなくなった。そして、2021年12月31日以降は、卵はケージフリー環境で飼育しなければならないことが決定した
California Proposition 12, Farm Animal Confinement Initiative (2018)
California General Election Tuesday, November 6, 2018

 

マサチューセッツ州

(規制成立年:2016年)週住民投票で賛成派が圧勝。バタリーケージ禁止を含む州法が2022年に施行予定。

ミシガン州
(規制成立年:2009年)州議会において、2020年までにバタリーケージを禁止する条項を含む法案が可決された。

オハイオ州
(規制成立年:2010年)2010年6月末に一連のアニマルウェルフェア対策について、州知事、農業生産者団体と動物愛護団体連合が合意。バタリーケージ施設建設許可の停止措置が即時に施行。他州とは異なり、バタリーケージを期限を設けて禁止するものではない(この合意により動物愛護団体連合による週住民投票の手続きが中止)。

オレゴン州
(規制成立年:2011年)州議会において、バタリーケージを禁止して1羽ごとに余裕ある空間を保つ「エンリッチドケージ」への段階的移行を義務化する法案が可決。15年後の2026年に全面的にバタリーケージを禁止。

ワシントン州
(規制成立年:2011年)オレゴン州と同様に、段階的に「エンリッチドケージ」に移行する法案が州議会で可決。2026年にバタリーケージは禁止。

(上記のアメリカの状況についての参照先:エーリック海外情報 畜産の情報 2017年11月号 消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界 )

ロードアイランド州
2018年6月23日に、2023年までにバタリーケージを禁止する法案が上院を通過(販売については禁止されていない)。知事のサイン待ちとなっている。 
Rhode Island House Bill 7456 (Adjourned Sine Die)

 

オーストラリア

オーストラリア首都特別地域ではバタリーケージの使用を禁止し*、タスマニアでは、2013年から新しいバタリーケージの運営を禁止**。
*Animal Welfare (Factory Farming) Amendment Bill 2013 Accessed January 11, 2017.
**Tasmanian Consolidated Regulations. Animal Welfare (Domestic Poultry) Regulations 2013 (TAS), r5 
現在(2018年時点)、豪州では、各州政府、連邦政府、業界団体などからなる委員会により鶏肉および鶏卵のアニマルウェルフェアに関するスタンダード・アンド・ガイドラインの策定作業が進んでいる。このうち、スタンダードの項目に記載される事項は、各州の州法の中に規定される予定となっているが、このスタンダードにおいて、バタリーケージは禁止事項になる可能性がある。(引用元:海外情報 畜産の情報 2018年5月号 豪州の農畜産物需給見通し ~2018年豪州農業需給観測会議から~

 

ブータン
2012年にバタリーケージを禁止

 

ニュージーランド
Layer Hens「Animal Welfare (Layer Hens)Code of Welfare 2012」のMinimum Standard No. 12で、2022年までにバタリーケージを廃止すると明記。


カナダ
2016年、1000以上の卵農家からなる団体EFC(Egg Farmers of Canada)はバタリーケージからエンリッチドケージや放牧への移行を発表。2017年には鶏の行動規範(CODE OF PRACTICE)のなかで、採卵鶏の要件として2036年までにバタリーケージを完全に廃止することを明記。同時に卵産業が15年以内にバタリーケージの大半を廃止することを約束した。またこのCODE OF PRACTICEの内容は2017年の時点でカナダにはバタリーケージが新設されないことを意味している。


インド
動物福祉委員会が、全ての州政府に対し、バタリーケージの使用禁止と2017年までの段階的な廃止を勧告。
 Humane Society International. 2013. Hope for Hens: India Agrees That Battery Cages Are Illegal.  Accessed 3 August 2016

 

フランス
2018年5月28日、フランス議会でケージ卵そのものの禁止が議論されたが、否決された。ケージ卵禁止については、2017年に就任したエマニュエル・マクロン大統領が選挙中に公約として掲げている。FRENCH DEPUTIES REFUSED TO BAN THE ADVERTISING OF JUNK FOOD Jan Hartman | May 30, 2018
Bien-être animal : qui sont les députés qui ont voté contre les mesures ?
BRIGITTE BARDOT AND SOPHIE MARCEAU FIGHT FOR CCTV IN SLAUGHTERHOUSES AND THE BANNING OF CAGED HENS

 

*「バタリーケージの禁止」ではケージ飼育そのものは禁止されていませんが、ケージ飼育する場合には止まり木や砂、巣箱の設置義務や、鶏1羽あたりの最低面積(EUでは750cm²)などが定められています。

 

ケージ飼育そのものを廃止する動き

  • スイス 
    1992年にケージ飼育は完全になくなり、屋外放牧もしくはエイビアリーや平飼いに切り替わっています。
    参考:スイスにおける動物福祉規制と農業環境政策-大山利男
  • オランダ 
    2003年に鳥インフルエンザが集団発生したオランダも、2021年にエンリッチドケージ飼育も禁止予定。
  • オーストリア 
    2020年にケージ飼育を禁止予定。
  •  ドイツ
    2025年から改良型ケージの使用も法律で禁止(例外的に2028年までケージの使用が許可される場合もある)Gesetze und Verordnungen des deutschen Bundesrechts im Internet 
  • オーストラリア 
    2009年のケージ卵の割合は市場の70%、フリーレンジは5%。2016年にはケージ卵が49%、フリーレンジが40.7%になっています。
    参考:
    AUSTRALIAN EGG CORPORATION LIMITED ANNUAL REPORT 2016 Caged egg sales trend lower as demand for free-range increases
    2014年に、消費者のための非営利調査団体CHOICEが行った調査によると(オーストラリア国内1969人対象)、65%の消費者が過去1年以内にケージフリー卵(フリーレンジ卵)を購入しており、その一番大きな理由が「アニマルウェルフェア」で68%、次が「ケージフリー生産者をサポートしたいから」で52%、「味がよい」が44%でした。また67%が、きちんとした規制の元で飼育されたケージフリーエッグには、もっとお金を払ってもよい、と考えていることがわかりました。
  • EU
    EUでは「採卵鶏保護の最低基準」の中で識別番号を卵にスタンプすることが求められており、消費者はその卵がどういった飼育方法かが分かるようになっています。(0:有機飼育、1:放し飼い、2:平飼い、3:ケージ飼い)Commission Directive 2002/4/EC of 30 January 2002 on the registration of establishments keeping laying hens, covered by Council Directive 1999/74/EC 
    そして、ケージ飼育そのものは禁止されていませんが、ケージフリーの動きが顕著です。2016
    年のデータでEU全体の44.1%の採卵鶏がケージフリー飼育です(残りはエンリッチドケージ)。
    参考:75% of EU egg production is concentrated in 7 countries-poultry world 2017.9.15
  • アメリカ
    「アメリカにおけるケージフリーの普及率は2012年には6%(従来のケージフリー3%およびUSDAオーガニック3%)だったが、徐々にその割合が上昇し、2016年には12%以上(従来のケージフリー7.9%、およびUSDAオーガニック4.5%)となっている」(2017.5雑誌「鶏の研究」)
    「パッケージ(ケージフリー卵の約3%)、卸業者(4%)、スーパー(44%)、レストラン等(15%)、マクドナルド(4%)などのエンドユーザ需要を合計すると2025年のケージフリー卵の市場占有率は米国総飼養羽数の約70%(1.9億羽/2.75億羽)に成長すると予測されている」(雑誌「鶏卵肉情報2017夏季特大号」)
  • カリフォルニア州(アメリカ)
    2008年、住民投票の結果、鶏のバタリーケージ飼育は廃止されたがケージ飼育は合法。そのため2018年11月に「ケージ飼育そのものの廃止」の住民投票が再度行われることになっている HSUS to spearhead California initiative to end era of extreme confinement of farm animals November 3, 2017
    2018年11月6日、州住民投票で「家畜監禁に関するイニシアチブ」Proposition 12が通過。2008年にはなかった具体的な面積要件が定義されることとなった(子牛、繁殖豚、についても面積要件が定められることになった)。またこの法律に反する畜産物を州内で販売することができなくなった。そして、2021年12月31日以降は、卵はケージフリー環境で飼育しなければならないことが決定した
    California Proposition 12, Farm Animal Confinement Initiative (2018)
    California General Election Tuesday, November 6, 2018
  • ブラジル
    ”2005年に「5つの自由」を盛り込んだAWに関する基本原則が、OIEコードに位置付けられたことを契機に、ブラジルでも2007年、「動物福祉に関する連邦法案」が策定された。この法案は、国全体でAWに関して規制を設けるもので、妊娠豚の群飼養の義務付け、採卵鶏のケージ飼いの禁止などが規定された。しかしながら、議会で賛同を得られず不成立となっている。ブラジル農牧食糧供給省(MAPA)によると「当時の生産実態と大きく乖離していたため、生産者等が反対したことが大きかった」(2018年8月ヒアリング、以下同じ)と不成立の理由を明らかにしたが、これは初めての生産現場におけるAWの法制化に向けた動きであった。”
    引用元:畜産の情報 2018年11月号 ブラジルにおける採卵鶏を中心としたアニマルウェルフェアの取り組みに関する一考察 調査情報部 佐藤 宏樹、新川 俊一

その他諸外国のケージ卵・ケージフリー卵の割合は、INTERNATIONAL EGG COMMISSIONのEGG INDUSTRY REVIEW 2015 で見ることができます。また2017年11月27日 同 Commissionは動物福祉法の世界データベースを立ち上げています。このデータベースはとくに各国がバタリーケージを禁止しているかどうか、関連する法律や規範があるかどうか、そして次の三つ「鶏の飼養形態」「クチバシの切断」「オスの雛の殺処分」についての規則やガイドラインについても示しています。
Launching the IEC Global Database of Animal Welfare Legislation 27th November 2017

 

 

企業やスーパーのケージフリー
世界中で250以上の企業がケージフリーを決定しています。

詳細な一覧はこちらをご覧ください。

http://welfarecommitments.com/

 

 

 

 

近年の動き

 

 

*EUなどの国では、バタリーケージは禁止ですがケージ飼育そのものは禁止されていません。エンリッチドケージ(改良型ケージ飼育)は認められてます。しかしこの改良型ケージも廃止の方向に向かっています。

 

 

 

 

強制換羽・デビークの規制

 

強制換羽

 

EU、カナダでは絶食による強制換羽は禁止。

インドは絶食による強制換羽は「動物虐待」にあたるとして、すべての農家に中止を命令。

米国鶏卵生産者協会(UEP)のガイドラインでは絶食を伴う強制換羽は禁止されています。

 

デビーク

  • ヨーロッパにおけるビークトリミングは、熱刃の使用は禁止され、孵化場における赤外線方式のみ許可されています。
  • オランダ、ベルギー、スカンジナビア諸国などの北欧は、2016年もしくは2018年にビークトリミング自体を完全禁止にする方向で議論が進められています。
  • 2015年、ドイツ ニーダーザクセン州では、デビークしない農家に報奨金を出すことを決定。同年、ドイツの農業大臣と養鶏団体が、クチバシの切断の段階的廃止に同意。
  • アメリカのマクドナルド社は強制換羽の中止、デビークの段階的削減などの動物福祉ガイドラインを策定し、農家との取引基準にしています。