彼の心は変わった。

彼はもう、鶏たちをと殺場へ送りたくなかった。

彼はもう二度と、ケージに鶏を閉じ込めないと誓った。

  

彼女は、やさしくそっとケージから連れ出された。

 

彼女は普通のことができるようになった

羽を広げることができ

肢の爪で地面をひっかくことができて

こころゆくまで砂浴びをする

巣をつくり、プライベートな場所で卵を産むことができる

足の裏に土の感触があり、羽は太陽の光を感じる

 

あなたが卵を産んでも産まなくても関係ない。

あなた自身が、かけがえのない鶏だから。

 

 

― Edgar’s Mission 

http://www.edgarsmission.org.au/

残酷さより、思いやりを選ぼう。

 

Compassion in World Farming
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鶏の幸せとは?

 

動物行動学者コンラート・ローレンツ氏は次のように言っています。

「動物のことを何がしか知っている人間にとって、鶏が無駄に覆いを得ようとして(隠れようとして)、何度も何度もケージ仲間の鶏の下にもぐりこもうとしているのを見ているのは、実に悲痛なものである。 こうした状況のもとで、雌鶏は間違いなくできるだけ長く卵を持っておこうとするだろう。ケージ仲間の混雑の中では卵を産みたくないという本能は、同じような状況で人ごみの中で排便したくないと思う文明人の気持ちと同じくらい強いはずだ」

 

鶏には巣の中で卵を産みたいという強い欲求があります。 捕食者が産んだ卵を狙うからです。 また排卵時には総排出腔が赤くなり目立ちます。そこをほかの鶏がつつくことを避けるためにも安心できる巣が必要です。しかしケージの中には巣どころかワラ一本も用意されていません。

 

放牧飼育で巣を与えられている鶏にはそれぞれ、お気に入りの巣があるそうです。自分のお気に入りの巣に、ほかの鶏が入って卵を産んでいるときは、その巣の前で順番を待つそうです。

『金網以外に何もないバタリーケージで育てられた鶏と、敷きワラの上で育てられた鶏に巣箱を与えると、敷きワラの上で育てられた鶏は、じきに巣箱から離れたが、ケージで育てられた鶏は、巣箱に夢中になって、そこからなかなか離れなかった。』

(科学情報誌new scientist)

 

安全な場所

被食種である鶏は、自分自身を捕食者から守るために隠れ場や止まり木などの逃げ場が必要です。しかしそのような場所は狭いケージの中のどこにもありません。「実際にはケージの中にいて、捕食者はいない」ということは問題になりません。逃げ場が欲しいというのは鶏の本能です。捕食者の手が届かず、なおかつ様子をうかがうことが出来る場所を、鶏は必要としています。

 

ツツクという行為

「ヒモのおもちゃ」を与えてあげれば、鶏は52日たってもそのヒモで遊びます。 しかしケージの中には、たった一本の「ヒモ」も、何もありません。

『空調が利いた室内で、餌や水が目の前にあり、糞をしたら金網の下に落ちる、という衛生的な飼い方と、日陰と日向が混在し、暑さ寒さを自分でしのがねばならず、わらの上からくちばしでつついて餌を探さねばならない屋外飼育を、鶏に選択させたところ、鶏は後者を選択した。』

(「動物たちの幸せとは何か」 佐藤衆介氏著)